株式の譲渡について

記事公開:  最終更新:

 

年間110万円までの基礎控除を利用した暦年贈与が、将来的に制限もしくは廃止される可能性が出てきたようです。

将来の事業承継を見据え、相続税対策として後継者に株式を暦年贈与している中小企業のオーナー株主様は多くいらっしゃいます。

この報道によってか、株式の譲渡に関するお問合せがいくつかありましたので、非公開会社(※)の株式の譲渡の手続きについて簡単に記載します。

(※)非公開会社とは、会社の登記簿謄本に「株式の譲渡制限に関する規定」のある会社のことです。上場していないほとんどの中小企業は非公開会社です。

 

株式の譲渡は、株券発行会社か、それ以外の会社かで手続きが変わります。

ご自身の会社が株券発行会社かどうかは、会社の登記簿で判断できます。

登記簿に「株券を発行する旨の定め」の記載がある会社が株券発行会社、記載がなければそれ以外の会社です。

 

 

株券発行会社の場合

 

手続きは次の通りです。

  1. 株式の譲渡契約
  2. 会社の承認手続き
  3. 株券の引渡し
  4. 株主名簿の書き換え

 

株券発行会社の場合、3.の株券の引渡しは見落としやすいポイントです。

株券発行会社の中には、登記簿に「株券を発行する旨の定め」があっても実際には株券を発行していない会社も多くあります。

その場合でも、株券を一旦発行するか、「株券を発行する旨の定め」の廃止手続きを事前に行う必要があります。

株券を実際に発行しているかしていないかに関わらず、株券の引渡しのない株式の譲渡は無効ですので、ご注意ください。

また、株券発行会社の場合は、株券の所持そのものが株式譲渡の第三者対抗要件となります。

 

株券発行会社「以外」の場合

 

手続きは次の通りです。

  1. 株式の譲渡契約
  2. 会社の承認手続き
  3. 株主名簿の書換え

 

株券発行会社と違い、当事者の合意と会社の承認により譲渡手続きが可能です。

ただし、第三者に株の譲渡を主張するためには、株主名簿を書き換える必要があるので、忘れないようにしてください。

 


 

 

以上が、ざっくりとした株式の譲渡手続きの概要です。

 

尚、株式の譲渡に当たっては、株価の算定が非常に重要です。

思わぬ課税とならないよう、手続きを行うに際は必ず税理士さんにご相談されることをお勧めします。

 

また、株式の譲渡には登記手続きは発生しませんが、前記「株券を発行する旨の定め」の廃止手続きには登記が必要です。

これについては、またどこかで述べたいと思います。

 

 

司法書士・行政書士 内野事務所
  • ご相談は予約制です。お電話またはメールにてご連絡ください。
お電話でのお問い合わせ

「ホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日9:00-17:00(土日祝休み)
メールでのお問い合わせ

メールは24時間受付中です。

    ご希望の連絡先 必須

    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ページトップへ戻る