生前のお手続き
遺言書
遺言書はご自身で作成することも可能ですが、財産や親族状況、また遺言書で実現したい内容によっては、司法書士等の専門家の関与が望ましいことがあります。
遺言書には様々な形式があります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 法務局の遺言書保管制度
それぞれ費用や手続き面でメリット・デメリットがあるため、ご自身の資産やご家族状況に応じて、遺言書方式を選択します。
退職慰労金や農地など、いくら遺言書を書いていても相手によっては簡単には譲ることのできないものもあります。
遺留分のように、後から相続人間の紛争の火種になりやすい事項も、あらかじめ想定して内容を決めた方が良いでしょう。
遺言内容を実現させるために、ご自身亡き後に手続きを代行する遺言執行者を定めておくことも場合によっては有用です。
また、せっかく遺言書を書いても、火事や水害で消失したり、自宅の奥深くにしまい込んでご自身亡き後に誰も見つけられない状態になってしまうのでは、作った意味がありません。
その点、法務局や公証役場の公的機関で遺言書の保管・作成をすると、紛失等の恐れもなく、後から相続人が申し出ることでデータ検索ができるので確実です。
将来的には、法務局の遺言書保管制度によって、ご自身の死亡と遺言書の存在を、相続人等に知らせてくれる手続きも開始が予定されています。
当事務所にご依頼いただけること
遺言書作成支援(公正証書・法務局の遺言保管制度) | 55,000円~(内容に応じて) |
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ご自身で作られた自筆証書遺言書のチェック | 11,000円 |
遺言執行 | 165,000円もしくは遺産総額の1%のうちどちらか高い方 |
死因贈与契約
ご自身の財産を死後に誰かに譲る方法は、遺言書のほかに死因贈与契約があります。どちらも作成者亡き後に効力が発生する点は共通していますが、死因贈与と遺言の違いは、遺言は作成者の一方的な意思表示で財産を譲ることができるのに対し、死因贈与は、財産を譲りたい人と受け取る人の双方合意の下で行われることです。
ご自身が譲りたいと思う財産が、受け取る側には負担となることもあります。死因贈与契約は、当事者間で事前に合意が形成されているという点で、その実現が容易になるというメリットがあります。
また死因贈与契約の場合、その譲りたい財産が不動産であれば仮登記(あらかじめ、この不動産は所有者が亡くなった後に○○さんに贈与される予定です、ということが分かるような登記を入れておく方法)もできます。
死因贈与契約書作成 | 55,000円~(内容に応じて) |
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死因贈与に基づく仮登記 | 44,000円~不動産の価格に応じて+登録免許税等の実費 |
相続が開始したとき
戸籍の取得
預金や不動産の相続の手続きには、まずは亡くなられた方(被相続人)の相続人を特定するための戸籍が必要です。被相続人の出生から死亡までの戸籍と、相続人の現在戸籍を取得し、相続人を特定します。戸籍は本籍地のある役所で発行してもらえますが、本籍地が遠方の場合は、郵送で請求します。生前に本籍地を移転したことがある場合は、それぞれの役所での戸籍(除籍)が必要です。
戸籍等の代行取得 | 1通2,200円+実費(1,000円程度) |
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※戸籍の使用目的は限定されていますので、ご利用内容によっては受任できないこともあります
集めた戸籍は、銀行、証券会社、保険会社など、手続きごと複数箇所で提出を求められますので、複数セット用意があると便利ですが、その分費用もかさみます。その場合は、下記の法定相続情報一覧図が便利です。
法定相続情報一覧図
法定相続情報一覧図とは、本来複数枚に渡る戸籍をもって疎明しなければならない相続の情報を、一枚の紙に家系図のように一覧にまとめたもので、法務局に申請して作成します。
戸籍と同じように銀行や役所で利用できて非常に便利な上、一度作成しておくと何通でも無料で発行してもらえるため、同じ戸籍を複数取得するよりもコストが抑えられます。
法定相続情報一覧図の申出 | 5,500円+実費(戸籍取得費用*) *一覧図作成に初回のみ戸籍が1セット必要です |
遺言書検認手続き
自筆の遺言書が出てきた場合
自筆の遺言書を発見した場合は、勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で検認申立てをし、裁判所での開封手続きが必要です。検認手続きは、相続人が特定できる範囲の戸籍または法定相続情報一覧図を作成し、家庭裁判所に申請して行います。申請をすると相続人に家庭裁判所から通知が行き、希望する相続人の立ち会いの下、家庭裁判所で開封手続きがされます。
遺言書検認申立書作成 | 料金22,000円+戸籍または法定相続譲歩一覧図等の実費 |
相続放棄
相続放棄は、相続人の一方的な意思では法的な効果はありません。
家庭裁判所に申述書を提出し、受理されてはじめて放棄の効力が生じます。
相続放棄には、相続を知った時から3か月以内という、比較的短期間での手続きが必要です。その間、預金の受取や借金を一部返済してしまうと、相続を承認したものとみなされ放棄することが難しくなります。
相続を承認するか放棄するか、3ヶ月では判断できない事情があるときは、家庭裁判所に申請して期間を延長してもらうことも可能です。
また、3か月を超えてしまった場合でも、事情によっては受理される可能性もあります。
3ヶ月以内の相続放棄の申述書作成 | 1人あたり16,500円+戸籍等の取得費用+実費 |
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3ヶ月を超えての相続放棄申述書作成 | 1人あたり22,000円+戸籍等取得費用+実費 |
期間延長の申立書作成 | 1人あたり11,000円+戸籍等の取得費用+実費 |