登記申請は必ず司法書士に依頼しなければなならいものではないので、ご自身で登記申請をする「本人申請」も選択肢のひとつです。
司法書士に払う手数料を節約できることは、本人申請の最大のメリットと言えます。
とはいえ、専門知識や細かいルールに沿った申請書の作成が必要ですので、ケースによっては向き不向きがあります。
今回はそのことについて記載したいと思います。
本人申請に向いている人
時間に余裕がある方
登記には様々なルールがあります。初めての申請であれば、なかなか思い通りに進まず、法務局から不足書類や申請書の訂正を受けることもあるでしょう。
一度で登記が完了することは少ないと思いますので、何度か法務局に足を運ぶことも想定されます。
そのため、申請する法務局へのアクセスが容易な方や、時間に余裕がある方が向いています。
不動産登記であれば、直後に売却が控えている等、急ぎの事情がないことも含まれます。
自分で判断ができる方
「家の名義を親から自分(子)にしたい」と思ったとき、その法律原因は何でしょうか。
相続・売買・贈与・代物弁済
同じ所有権移転登記という名義書き換え手続きでも、これらはそれぞれ別の法律行為であり、成立要件、申請書、添付書類、税金も全く変わってきます。
それらをある程度理解した上で、実情と照らし、手続きを取捨選択できる方が本人申請には向いてます。
本人申請に向いている登記
事実関係が明確で、税務や許認可等の検討する事項が少なく、近年のもの(あまりに昔に起きた事象ではないこと)が本人申請に向いています。
例えば次のような登記です。
- 住宅ローン完済による抵当権抹消登記
- 引っ越しによる住所変更登記
- 法定相続による相続登記(相続人が少なく、数次相続や代襲相続がないもの)
- 役員全員が再任する会社の登記
- 代表取締役の住所変更登記
本人申請を司法書士に手伝ってもらえるか
相談料・手数料がかかりますが可能です。
本人申請を希望される方の多くは専門家に係る費用を抑えたい方だと思いますので、メリットは感じにくいかもしれません。
尚、法務局でも申請手続きに関する相談を受け付けています。
コロナ禍以降は電話相談のみのところも多いですが、法務局での相談は無料ですので、そちらを検討されても良いかもしれません。