登記には、実印を押印した書類と、個人の印鑑証明書の提出が必要な時があります。
海外に居住し日本に住民登録が無い人は、日本の印鑑証明書が発行できません。その場合、実印押印の代わりに署名を行い、印鑑証明書の提出に代えて署名証明書/サイン証明書を提出します(サイン証明書と署名証明書は同じものですが、以下「署名証明書」と記載します)。
日本の印鑑証明書は、書類に押印されている印鑑が実印であるかを証明するために用いられますが、署名証明書は、書類に記載された署名が本人の署名に間違いがないかどうかを証明するために用います。
署名証明書はどこで取得するか
日本人は各国の日本大使館または日本領事館で、外国籍の人は本国の公的機関で取得します。
尚、国によっては日本と同様の印鑑登録制度があり印鑑証明書を発行しているところもあります。その場合は、署名証明書を取らずとも外国の印鑑証明書で足りることがあります。
署名証明書の有効期限
登記に使用する印鑑証明書には3か月の有効期限がある場合が多いですが、署名証明書には有効期限がありません。印鑑は紛失や盗難による改印の可能性がありますが、本人の署名は変わることが無い(とされている)からです。とは言え、あまり古いものは好ましくないでしょう。
署名証明書の種類
署名証明書は一般的に、単独型と貼付型の2種類あります。
単独型は、日本の印鑑証明書のように本人の署名のみが証明されたものです。
貼付型は、署名する書類(例えば遺産分割協議書)に本人が確かに署名した旨の証明書が合綴されたものです。
法務局によっては貼付型を求められることがあるようですが、明確な決まりはなく、個人的な経験の範囲ではどちらでも申請は通っています。
単独型は証明書通りに署名がされていないと同一署名と認められない場合がありますが、貼付型はそのような心配がないので確実性は高いかもしれません。
その他
本稿では署名証明書に焦点を当てた記事ですが、登記によっては、署名だけではなく住所の証明のために別途在住証明書等が必要な場合があります。
また書類や登記内容によっては、署名証明書を使わず、宣誓供述書等を取得した方が効率的なこともあります。
海外での証明書取得は日本で取得するよりも手間や料金がかかることが多いので、二度手間を避けるためにも、登記の必要書類については事前に司法書士や法務局に確認していただくことをお勧めします。